電子書籍用のepubファイルを開いて編集する

2020/06/07

Kindle 電子書籍

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次の記事に書いたように、

WordとRomancerを使ってKindle用の電子書籍を作る

Romancerで電子書籍用のepubファイルを作れることがわかったのですが、どうも不満だったのは、表の枠線が表示されてしまうことでした。


元のWordファイルで「枠なし」としており、プリンタで印刷するときには枠が表示されないのですが、Romancerでepubにすると枠線が表示されてしまいます。

Romancerは手軽にWord原稿をepubに変換できるので、とてもありがたく思っていたのですが、その点だけが残念でした。

しかし、いろいろ調べてみると、epubファイルを編集する方法があることがわかりました。


すごいですね。こんな方法があるなんて。
この方法で表の枠線を消してみました。

epubファイルをzipファイルにする

たとえば、

test1.epub

ファイルがあるとすると、拡張子のepubを取って、zipにします。

test1.zip

なんと、epubファイルって正体はzipファイルだったんですね。
このファイルを選択して右クリックし、「すべて展開……」を選びます。
すると、


この2つのフォルダと1つのファイルがあることがわかります。
これらをまとめて一つのファイルにしていたのが、epubファイルだったというわけです。

さて、この中の「OEBPS」(?)フォルダを開くと、中に「style」フォルダがあります。
それを開くと、「ebook_style.css」というファイルがあります。なんと見慣れたスタイルシートではありませんか。

これをダブルクリックしましょう。あるいは、メモ帳で開きましょう。なつかしい表記で一杯です。僕はEmEditorを使っているので、左側に見出しが「h1」とか「img」が表示されます。

tableやthやtdも見えます。見出しが使えない人は、検索で「table」を検索してみましょう。tableという文字は一つしかありません。

/* default table style */
table {
 border-collapse: collapse;
 border-style: solid;
 border-width: 1px;
 text-align: left;
}
th {
 border-style: solid;
 border-width: 1px;
 border-color: #808080;
 background-color: #dedede;
 font-weight: bold;
 font-size: 90%;
 padding:0.3em;
}
td {
 border-style: solid;
 border-width: 1px;
 border-color: #808080;
 font-size: 90%;
 padding:0.3em
}

となっています。
そう、これが表の枠線となっていたのです。とりあえず、すぐ下に、

table, th, td {
 border:none;
}

を付け加えました。表の枠線を消せという指示です。
ファイルを保存して閉じます。

再びzipに戻す

修正したファイルをまとめて、再びzipファイルにします。
このとき、「test1」フォルダをそのままzipにしてはいけません。
「test1」フォルダの中にある、


の2つのフォルダと1つのファイルをzipにします。
これらをすべて選択します。「Ctrl + クリック」ですね。
そして右クリックして、

送る > 圧縮(zip形式)フォルダー

です。適当な名前をつけます。たとえば「test2.zip」です。

zipをepubに戻す

そして最後に、zipファイルを再びepubファイルに戻してやります。
戻し方は簡単、拡張子のzipをepubに変えるだけです。

test2.zip → test2.epub

これでめでたく修正が終わっています。
test2.epubファイルをKindle Previewer 3で開いてみると、見事に表の枠線が消えています。

mobiファイルにして、Kindleで見てみると、


と、きれいにそろっています。

まとめ

すごいですね。こんな手があるのですね。ちょっとした修正なら、もとのWord原稿まで戻らなくてもできそうですね。

いろいろいじれば見出しのフォントなども変えられるのかもしれません。

でも、あまりやりすぎるとわけがわからなくなりそうなので、表の枠線をいじるくらいにしておきます。

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